倉知眼科倉知眼科

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近視になる子供が増えています!

小学生・中学生の近視になる割合が30年前と比べて1.5倍と急速に増えています。

近視になったら『進行することは仕方がない。』『あとはメガネやコンタクトで調整していく』と考えられていました。

近視が進行すると将来、病的近視(近視性黄斑症)や網膜剥離や緑内障などで失明するリスクが高くなります。

眼球が伸びると近視が進行する

近視は眼球の長さ(眼軸長)が伸びることで進行します。小学生から高校生までの間は成長とともに眼軸長が伸びて近視が悪化していきます。

網膜も伸びて薄くなり、傷んでいきます。
眼軸長は正常が24mmですが、27mmを超えると将来失明するリスクが大きくなります。

残念ながら病的近視は有効な治療がありません

病的近視以外にも・・・
緑内障・網膜剥離・黄斑円孔・黄斑上膜・視神経委縮など、他の病気で視力を失う可能性も上がります。

従来の対応では・・・

普段のメガネ・普通のコンタクトレンズ・メガネなしで過ごす
これも確実に近視が進行します。

絶対にやってはいけないこと

  • 兄弟や他人のメガネを装用すること
  • 自分の度数を調べずにネットで適当に買ったコンタクトレンズを装用すること

もしも必要以上の度数(過矯正)である場合にはメガネなしよりも急速に近視が進行してしまうリスクがあります。

子供たちを将来の病的近視から守るためには・・・

病的近視は年々増えていくことが予想されています。
今の病的近視の患者さんは70歳以上です。つまり60年前の小中学生です。今の小中学生は約50~60年後に発症します。

将来の病的近視⇒失明を防ぐには・・・

小中学生のうちに近視抑制治療をして18歳までに眼軸長が27mmを超えないようにします。または近視が-6Dを超えないようにします。

もし超えても0.1mmでも長くさせないことで将来の失明のリスクを下げます

近視抑制治療は3つの併用

  1. 生活習慣の改善
  2. 低濃度アトロピン点眼
  3. オルソケラトロジーまたは多焦点コンタクトレンズ

の3つが有効です。

近視と診断されたらアトロピン点眼+「眼鏡」か「オルソK」か「多焦点コンタクトレンズ」

生活習慣の改善

ゲーム、スマホ、タブレットの使用制限

必ず30cm以上離して使用(読書・学習も同じ)、1日3時間以内、連続1時間以内15分以上休憩

屋外活動を増やす

1日2時間以上、低学年から始めると効果的。

低濃度アトロピン点眼

毎日就寝前に1回点眼(習慣化できれば簡単)。0.01%~0.05%の濃度で調整し、0.01%で12~18%眼軸長を抑制、0.05%で約50%眼軸長を抑制します。
個人差があり効果が出にくい場合がある点、濃度が濃い方が日中にまぶしさを感じやすい点に注意が必要です。

オルソケラトロジー(オルソK)

夜ハードコンタクトレンズを装用して就寝します。
近視進行抑制効果が大きいうえに日中は裸眼で生活できます。

小中学生はレンズを親が管理する必要があります。近視が-4D以下が良い適応(中等度までの近視)。

費用につきましては当院へお問い合わせ下さい。

多焦点コンタクトレンズ(使い捨て)

オルソKと比べてやや劣りますが、近視が進みにくくなります。ただオルソKが適応外となる強い近視でも使用可能です。日中にコンタクトレンズを入れて生活します。

1dayと2weekがあり、通常の使い捨てレンズと同じ扱いとなっております。
本来は中高年の遠近両用目的のコンタクトレンズですので、やや高価なレンズですが小児の近視抑制の方には特別価格にてご提供しております。詳しくは当院へお問い合わせ下さい。

病的近視にさせないために

網膜硝子体疾患を専門としているため多くの病的近視の方を診察・治療してきました。病的近視で傷んでしまった網膜(黄斑)は治療しても残念ながら正常には戻りません。

『病気を発症させないこと』つまり『子供の頃に近視を進行させないこと』が大切です。

近視抑制治療をした場合
近視進行が早かった場合

早めのオルソケラトロジー+アトロピン点眼が有効

早い年齢(小学生低~中学年)でオルソケラトロジー(オルソK)+アトロピン点眼を始めることが最も有効です。

病的近視のリスクからお子さんを守るために

将来の病的近視のリスクからお子さんを守るために・・・
わたしたちが『今』できること・・・

倉知眼科では、2010年の開院以来10年以上、白内障、緑内障、網膜硝子体疾患を精力的に診療する傍ら、2014年から病的近視から子供たちを守るため低濃度アトロピン点眼、多焦点コンタクトレンズ、オルソKを取り入れてきました。 この10年で近視は『単にメガネをかけるだけ』から『治療によって進行を抑制する』疾患に変わりました。