アレルギー性結膜炎
アレルギー性結膜炎の原因
私たちの身体には、体内に入ってくる異物を排除しようとするはたらきがあり、このはたらきのことを免疫といいます。
本来、花粉などは異物と感じないしくみになっているのですが、アレルギー体質だと異物と認識して、免疫反応がはたらいてしまいます。この過剰な反応のことを、アレルギー反応といいます。
アレルギー反応が起こると、肥満細胞という細胞から、ヒスタミンなどの物質が大量に放出されます。これらの物質は、目の知覚神経や毛細血管などを刺激して、強いかゆみや充血などの炎症を引き起こします。
この地域(東海地方)でのアレルギー性結膜炎
自然の豊富な多治見では年間を通して植物の影響を受けます。
スギは観測上は1月下旬から飛散しますが、実際に多治見では12月から症状が出てくる方を散見します。目のかゆみ、充血、めやに、まぶたのはれなどの症状を呈します。
コバエによるアレルギー性結膜炎
2010年頃から梅雨時になるとクロバネキノコバエというコバエが多治見市を中心に大量発生するようになりました。
発症すると『かゆみ』『充血』『結膜浮腫(しろめがゼリー状に腫れる)』『めやに』『まぶたのはれ』『くしゃみ』『鼻水』などのアレルギー性結膜炎やアレルギー性鼻炎の症状を呈します。
治療は通常のアレルギー性結膜炎と同じですが、市販の抗アレルギー点眼は弱いため効かない場合が多く、抗ヒスタミン剤の点眼でもやや不十分な方があります。
このため低力価ステロイド剤(オドメール点眼や0.1%フルメトロン点眼)や重症の場合は高力価ステロイド(リンデロン点眼やサンベタゾン点眼)を処方します。
アレルギー性結膜炎の検査
生活習慣や環境をお聞きしてある程度可能性は予想できても目の所見を見ただけでは原因はわかりません。
当院ではアレルギーの原因検索をご希望の方は、指先に細い針で採血して20分で結果が出る簡易検査キット『イムノキャップラピッド』または、静脈から採血して後日結果が出る39項目の詳しい抗体検査『view39』(ビュー39)をすることができます。
アレルゲン検索を希望の場合は受付・検査・診察時にお申し出ください。
アレルギー原因(アレルゲン)の検索は、採血が必要です。特にお子さんからすれば痛くて嫌な検査です。
多くの場合、必ずしも原因(アレルゲン)を同定しなければならないわけではありません。また陽性でも必ずアレルギー症状の原因とは限りません。
以上より患者さんからお申し出がなければ、こちらからお勧めすることは基本的にありません。
※ただし検査結果が陽性でもアレルギー症状の原因ではない場合があります。
20分で結果がわかる簡易検査キット『イムノキャップラピッド』(8項目)
この検査は、スギ花粉やダニ、イヌやネコのフケなど、みなさんが吸い込んでしまう可能性のアレルゲン(アレルギーを起こす物質)に反応する「IgE」という抗体がからだの中にあるかどうかを調べるためのものです。
検査により、症状を悪化させている原因を特定し、対策をすることで投薬とあわせてより高い治療効果が期待できます。指先から採血を行い、今回の受診で結果が出ます。検査所要時間は約20分です。
保険適応 『イムノキャップラピッド』
検査料のみ 1030点 3割 3090円(6歳未満は1044点)
検査の流れ
- 指先から採血を行います。
- 結果が出るまでお待ちください(約20分)。
- 一緒に結果を確認し、治療方針を決定します。
39項目のアレルゲンを検査できる『VIEW39』(ビュー39)
静脈から採血して臨床検査センターへ送ります(外注)。
結果が出るまで1週間ほどかかります。
アレルギー性結膜炎の治療薬
市販の抗アレルギー点眼は弱いため効かない場合が多く、抗ヒスタミン剤の点眼を処方します。
このため低力価ステロイド剤(オドメール点眼や0.1%フルメトロン点眼)や重症の場合は高力価ステロイド(リンデロン点眼やサンベタゾン点眼)を処方します。
春季カタルには免疫抑制剤のタリムス点眼やパピロックミニ点眼を処方します。