倉知眼科倉知眼科

conjunctivitis

結膜

結膜は、上下のまぶたの裏側と、白目の表面をおおっている半透明の膜です。
ここに炎症が起こって充血やかゆみ、涙や目やにが出てくるといった症状を起こすのが「結膜炎」です。
結膜炎の原因としては、ウイルスの感染である「ウイルス性結膜炎」、細菌による感染である「細菌性結膜炎」。
外から入ってくる異物に対して、体が過剰に反応する(アレルギー)によって起こる「アレルギー性結膜炎」があります。

細菌性結膜炎

原因菌はインフルエンザ菌や肺炎球菌、黄色ブドウ球菌などです。
黄色ブドウ球菌は、健康な人ののどや鼻、皮膚、手指、毛髪、腸管などにも分布しています。
感染力が弱いため、感染の危険は大きくありませんが、目にケガをしたとき、病気などで身体の抵抗力が落ちたとき
子どもの場合は、感染しやすくなります。

ウイルス性結膜炎

ウイルス性結膜炎には、いくつかのタイプがありますがここでは代表的な4つのタイプについて説明します。

流行性角結膜炎

昔から「はやり目」と呼ばれる、アデノウイルスが原因の結膜炎です。
白目が充血し、目やにが出て、目が痛くなることもありますが、かゆみはほとんどありません。
感染してから約1週間で発症し、それから1週間くらいがピークで、あとは次第に良くなります。

咽頭結膜熱

「プール熱」と呼ばれ、アデノウイルスの感染によって起こりますが、流行性角結膜炎とはウイルスのタイプが違います。
突然39度くらいの高熱が出て、のどがはれ、目が充血したり、目やにが出るなど、結膜炎の症状が出ます。
悪化すると肺炎になることもあるので、注意が必要です。
感染してからの経過は、流行性角結膜炎とほぼ同じです。

ヘルペス性結膜炎

ウイルス結膜炎の一種なのですが、あまり他人にうつることはありません。
単純ヘルペスウイルスが原因で、症状としては白目が充血したり、目やにが多く出たりするのに加え、目の周囲の皮膚に、小さな水胞が出ることもあります。
角膜炎を合併することもあります。
このウイルスは、一度、治ったと安心しても、体の中にウイルスが残り、体力が落ちた時に、結膜炎が発症します。

急性出血性結膜炎

症状は急性で、エンテロウイルスやコクサッキーウイルスの感染によって起こります。
目が痛くなったり、目やにが多くなり、白目に出血がみられることもあります。
ひどくなると角膜(黒目の部分)に小さな傷ができることがあります。
感染した翌日くらいから発症し、1週間くらいでよくなってきます。

【注意】ウイルス性の結膜炎と診断されたら

ウイルス性結膜炎は一般に伝染力が強くうつりやすいので、以下のことに注意してください。

  • 手を流水や石けんでよく洗ってください。
  • タオルや洗面用具は他の人と別にしてください。
  • 人の使用している目薬を使ったり、手で目をこすったりしないでください。
  • 学校、幼稚園、保育園は医師の許可があるまで休む必要があります。

細菌性・ウイルス性結膜炎の治療方法

細菌性結膜炎の治療

抗菌点眼薬による治療が基本となります。
細菌の種類によっては、抗菌眼軟膏や抗菌内服薬も必要となります。
治療が適切な場合は、約1~2週間で完治します。

ウイルス性結膜炎の治療

アデノウイルスに対する有効な薬剤はありませんが、不快な症状を和らげる目的で、炎症を鎮める効果のある非ステロイド性抗炎症点眼薬やステロイド点眼薬が使用されます。
また、抵抗力が落ちている結膜に細菌が感染しないように、予防的に抗菌点眼薬が使用される場合もあります。
症状は、ウイルスに対する体の抵抗力がついてくるにつれてしだいに治まり、約3週間~1ヵ月ほどで完治します。
ヘルペス性結膜炎では、ヘルペスウイルスに対して効果がある軟膏を目にぬります。
また抗ウイルス薬を飲んだりすることもあります。