倉知眼科倉知眼科

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抗VEGF療法(硝子体内注射)

加齢黄斑変性網膜静脈閉塞症糖尿病網膜症(黄斑浮腫)近視性脈絡膜新生血管に対して10年以上前から目の中(硝子体内)に抗VEGF薬を注射する治療が行われています。現在、ルセンティス® アイリーア® べオビュ®が主に使用されています。

これらの病気になると眼内にVEGFという炎症を起こさせたり弱い血管を作らせる物質が病気の網膜から放出され、網膜をむくませたり(黄斑浮腫)、新生血管という正常の網膜や眼の組織にとって悪さをする邪魔な血管ができてしまいます。

この状態が続くと網膜の細胞が徐々に機能しなくなり、視力が出なくなります。基本的には放置すると悪化する病気が進行することを抑制する治療です。悪化して見えなくなった状態から病気になる前に戻す治療ではありません。

大変高額な治療ですが、ほとんど薬剤の費用です。高価な分どんどん視力が良くなる訳ではありませんが他に良い治療がなく、治療しないと多くの場合がどんどん悪くなり、悪くなってからでは治療の効果が見込めません。

治療の実際

予定でおこなう場合は抗菌剤を3日前から点眼して細菌を減らしておきます。ご都合や病気の状況で少しでも早く治療した方がいい場合はよく消毒を流しながら当日おこなうことも可能です。

処置用ベッドで仰向けの状態になっていただいて点眼麻酔と消毒をおこないます。

一瞬ですが『チクッ』という程度の痛みがありますが数秒で終わります。

注射の後3~4日程度、抗菌剤の点眼をして頂きます。

薬の効果は疾患や個人差がありますが2ヵ月程度でなくなります。薬の効果がなくなる少し前に注射をするようにしていきます。

実際の治療例(網膜静脈閉塞症 2年間7回注射)

アイリーア®

現在もっとも使用している抗VEGF薬です。

治療効果はほぼどの疾患もルセンティスよりも効果や持続期間ともに良好ですが、眼内からごく微量ではありますが血管に入り、全身に回ります。

脳梗塞や虚血性心疾患の既往がある方は、データ上は差がほとんどないので禁忌ではありませんが念のため比較的安全なルセンティスをお勧めします。ただし効果が不十分な場合や眼の病状が重い場合はごく稀なリスクをご理解いただいた上でアイリーアを使用します。

ホームページ:https://www.eylea.jp/ja/patient

ルセンティス®

アイリーアが発売される前はよく使われていました。効果はややアイリーアより劣りますが、眼外に漏れにくく安全性が高いためご高齢の方や脳梗塞や虚血性心疾患の既往がある方に使用します。

ホームページ:https://moumaku.com/